「フリーター」から「民衆」へ まだ見阻われわれへの生成法 私はこの愚稿を、「〈佐藤優現象〉批判」その他の論 容認していることを指摘したうえで、そのような論調を 考において「若年者の労働運動」に対する懐疑的見解を「排外主義としての格差社会論」に他ならないとして批 含む重要な間題提起をしてきた金光翔に触発されつつ、判する。外国人労働者の流人規制を公言し、かつ「リべ 「若年者の労働運動ーの傍流的位置からの運動状況へのラル・左派」と粘着している知識人・評論家の例として 介人として書く。私の愚稿のひとつの焦点を象徴的に表は、佐藤優以外には萱野稔人や森永卓郎が挙げられる。 現すれば、「若年」でも「青年」でもなく、「フリーター」また「若年者の労働運動」にさまざまなかたちでコミッ を名乗ることの政治的意味合いである。 トしつつ、「若年者の労働運動」が論壇で注目されるこ 金光翔は、日本の「リべラル・左派」が佐藤優をもてとに大きく貢献してきた雨宮処凛は、これらの論者とは はやしている原因のひとっとして、佐藤優が「格差社会」近しい関係を維持しながら言論活動をしてきている ( た 反対の論陣に貢献してきたことを挙げる。その上で金 だし彼女自身は外国人労働者の流人規制に反対などの見 は、その「格差社会」をめぐる論議には外国人労働者と解は主張していないと思われる ) 。「格差社会論」の高ま 日本人労働者との格差やグロー ハリゼーション下におけ りの中で一定の注目を浴びてきた近年の「若年者の労働 る地球的な格差の拡大を問題にする視点が基本的には欠運動」について、金光翔は次のようにも言う。 落していること、そして格差社会問題について発言する 昨今の「リべラル・左派」が、「排外主義が強まる」こ 非常に単純化して言えば、外国人労働者の生活権の問 とを理由に外国人労働者の流人規制などを主張・支持・ 題までカバーしうる格差社会論があるとすれば、最低 小野俊彦
発編正執バ購 刊集誤筆ッ入 寘後表者ク案 紹ナ内 介ン / 付 紹 の 誘 書物評論 : ・ プロレタリア文化大革命とはなんであったのか ? ・ SECOND EDITION ーー前世界を獲得するために : 内的体験としての暴力ーー・ユンガーと戦争肯定の思想 : 共同討議 自然発生性とスローガン・ 暴力の現在 ジャン日リュック・ナンシー ( 訳・解題日山本光久 ) 民主主義の真理 ソシュール一般言語学講義原資料の研究と翻訳 : 講義ノートは講義の録音なのかー 相原奈津江・秋津伶訳「一般言語学第三回講義」 ( エディット・パルク ) 小松英輔編、相原奈津江・秋津伶訳「一般言語学第三回講義〈増補改訂版ご ( エディット・パルク ) 影浦峡・田中久美子訳「ソシュール一般言語学講義」 ( 東京大学出版会 ) ゲバジェネ与利ロスジェネ賛江 : : ふとらのぶゆき 鈴木英生著「新左翼とロスジェネ」 ( 集英社新書 ) 雨宮処凜著「ロスジェネはこう生きてきた」 ( 平凡社新書 ) 官能から読み解く文革プロバガンダ : : 土屋昌明 草森紳一著「中国文化大革命の大宣伝」 ( 芸術新聞社 ) この本で小熊英二の「学者生命」は終った 府川充男 小熊英二著「 1968 」上・下 ( 新曜社 ) : 久山信・ : 千坂恭二・ ・ : 木田洋 : 市田良彦・長原豊・佐々木中・経秀実・ ・ : 家辺勝文 266265264262205 169 248 242 1 87 170 1 5 0 1 42 1 29 206 232
目次 図版構成 : ・ 日本反乱Ⅱ暴動史 軽やかな越境者・下地秋緒 人間によって馴致され使役される世界を越えてーー下地秋緒の仕事に思う : : ・ : 池田浩士・ まだ見ぬわれわれへの生成法 ハ野俊彦、 「フリ 1 ター」から「民衆」へー 4 。、暴力燦燦。 近代成立期民衆の〈公怨〉について・ 暴民哭々ー 腑抜けの暴力 = ・ = = 崔真碩 : 竹薮みさえ はみだそうとする暴力 : 「まったく新しい戦時下」の " 武装闘争″はいかに可能か・ 「反戦」ではなく「応戦」をー : 太田直里 彼女らの場合 : 六・四から文革へーー私にとっての " 中騨・ : 朝浩之 : 植本展弘・ 表紙ハメコミ写真は、中島真夫監督「暴動島根刑務所』 ( 東映、一九七五年 ) から引用 写真は山谷暴動、マンモス交番を包囲する民衆 ( 一九六 0 年八月一日 ) : 外山恒一・ 1 1 9 1 12 9 5 86